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「判例から本質を読み取る」法学部?大島ゼミを紹介

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みなさんは「民法」と聞いて、何を思い浮かべますか?
結婚、離婚、親子関係、相続、物権、債権…。実は、民法は私たちが社会生活の中で生きていくにあたって、最も身近な法律の1つなのです。

本日は、6/2(木)に実施した法学部の大島教授の演習Ⅱ(3年生対象の少人数演習)での学修の様子を紹介します。
大島先生の専門分野は「民法」で、公務員をめざす学生や民間企業をめざす学生など、約20名の学生がこの演習(ゼミ)で学んでいます。大島ゼミでは、法的知識の習得や、法的思考力を醸成するため、4~5名のグループに分かれ、「民法判例百選」からテーマを選び、授業ごとに1グループが判例についての考察を発表しています。

この日はグループ①の5名が判例「物権的請求権の相手方~土地上の建物を譲渡後も登記名義を保有する者(最高裁平成6年2月8日第三小法廷判決)」について①事案?②判旨?③判例分析の3項目にまとめ、報告を行っていました。

「物権的請求権」は条文が無い権利で考察が難しい

この判例を簡単に解説すると、主な登場人物はBさん、Xさん、Yさんの3名。
Xさん(原告?控訴人?上告人)が競売によって買い取った『土地』に建物が建っていました。Xさんは「私が取得した『土地』の上に建っているこの建物を壊して自分の建物を建てたい!」
そこで、その建物の登記簿を見ると、そこには「Yさん」の名前が。だからXさんはYさんに「土地の所有者は私だ。だから、この建物を僕に明け渡して欲しい!(土地所有権に基づく建物収去土地明渡請求訴訟)」と訴訟を行いました。
すると、訴えられたYさんは「登記簿上は私の名前になっているけど、もうこの建物はBさんに売ったから、文句があるならBさんに言ってください。」というもの。

この裁判の難しいところは、「物権的請求権」は民法の根拠条文が無い権利だという点です。ただ、本演習では、根拠条文になり得そうな条文について議論を行いました。学生からは民法第198条や第199条、第206条などが考えられるのではと。また、民法第176条には物権移転は意思表示のみで可能とされており、登記は不要のはずだが、なぜYさんが訴えられるのかなどが議論されました。

大島先生は随所に「本質を捉えて欲しい」という点を強調します。どのような物事であろうと、まずは本質を捉えることで、物事を客観的に正しく捉えることができると大島先生は言います。
その上で、考えられる?関連する条文を正しく理解することが大切で、これが法的思考力へとつながっていくのです。

報告したグループの学生からは、「今回の判例は根拠条文が無いため、争点が難しかったです。ただ、判例分析では、判例を正しく理解し、その上で自分たちなりに考察してみました。」とのこと。このような論理的思考能力こそ、先行き不透明な社会を生き抜くために必要な能力だと考えています。

ちなみに、この判例はXさんの主張が認められる判決となりました。判決の詳細など、関心のある方はぜひ大島ゼミへお越しください。

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